水平垂直の世界と交差する刹那、目映いばかりの光がボディから放たれる。ブガッティ・ヴェイロン。
曲線美を極めた至高の芸術が、和の空間で美しさを際立たせる瞬間、その存在感は最高潮に達する。

曲線美が際立つ、至高の名作

アール ヌーボー様式の家具デザイナーを父にもち、弟は動物を題材とした彫刻家。祖父は建築家で、叔父は画家のジョヴァンニ・セガンティーニである。
そんな芸術家一族に育った少年が、自動車に興味を抱き、その情熱を持ったまま大人になる。そして、自動車の設計をしたらどうなるか..。
時を経て現在。その問いへの答えは、１台の自動車に見出すことができる。「ブガッティ・ヴェイロン16・4シリーズ」。2005年に生産モデルを正式発表して以来、クーペ仕様300台、オープン仕様150台が生産された、稀少なスーパースポーツである。
待望のデビューから10年。時の移ろいを微塵も感じさせないデザインは、エレガントな曲線に縁取られ、どこまでも気高く、近寄りがたい気品さえ溢れる。その佇まいはまるで、完成されたアートとしての彫刻作品のようでもある。
最高速度400Km／hオーバーを可能とするポテンシャルを内に秘めながらも、高い芸術性を極限まで貫くこだわり。それはまさに、細部に至る完璧な美しさを追求した創業者、エットーレ・ブガッティ、彼の情熱の結晶と言って過言ではないだろう。