OCEANIA ALLURA
A Voyage of Culinary Excellence and Comfort
美食とくつろぎが出会う、洋上のリトリート

写真・文:大橋マサヒロ
2025年、オーシャニアクルーズの新造船「オーシャニア アリューラ」が華々しくデビューした。イタリア北東部のトリエステから乗船し、アドリア海を南下。イタリア南部のバーリ、そして“アドリア海の真珠”と称されるクロアチアのドゥブロヴニクなど、沿岸に点在する趣ある港街を経て、東西文化が交差するイスタンブールへと至る航路を辿った。洋上最高峰の美食体験と、厳選された寄港地の魅力―その二つを融合させたオーシャニアクルーズの哲学は、船内で過ごす時間そのものを旅の醍醐味へと昇華させる。世界のクルーズ愛好家たちを魅了するオーシャニアクルーズの最新船「オーシャニア アリューラ」の魅力を、この航海を通して紐解いていく。
オーシャニア アリューラに乗船して最初に感じるのは、スタッフの多さと、フレンドリーでありながらきめ細やかなその対応である。乗客定員約1200名の中型クラスの客船でありながら、クルーの数はおよそ800名。ゲスト3人に対してスタッフ2人という手厚い体制でサービスにあたるという。
プールデッキやラウンジ、バーといった船内の随所にも、ゲストの数に対して十分すぎるほどの席が用意されている。混み合うことのない空間だからこそ、どこに身を置いても居心地が良い。大人だけ(18歳以上)のクルーズであることも特筆したい。そして、正装は不要でドレスコードはエレガントカジュアル。ゲストが限りなく自然体でくつろげること― それこそがオーシャニア アリューラの目指す美意識なのだろう。
ゲストはそれぞれ思い思いのスタイルで食事や社交の時間を楽しむ。それは、洋上に浮かぶ「別邸」というコンセプトを何より雄弁に物語っている。華美な自己主張ではなく、静かな贅沢。オーシャニア アリューラという船が体現するのは、まさにそうした洗練されたラグジュアリーな空間演出といえよう。
The Ultimate Culinary Experience at Sea
美食の客船ならではのこだわりのダイニング

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(1)「ポログリル」のシグネチャーディッシュは、贅沢なロブスター&フィレ肉のステーキ。(2)船内で最も華やかな雰囲気に包まれる「グランドダイニングルーム」。豪華で洗練されたインテリアと共に、特別な食事を楽しめる。(3)洋上最高峰の美食を支える同船の総料理長、フレデリック・カモニン氏。(4)デッキ12船尾の「テラスカフェ」では、海を眺めながらロマンチックな食事のひとときを。(5)オリーブオイルやバルサミコ酢など、食材や調味料にもこだわるイタリアンレストラン「トスカーナ」。(6)エキゾチックな雰囲気とアジア各地の料理で人気を集める「レッドジンジャー」。
オーシャニア アリューラを語るうえで欠かせないのが、「The Finest Cuisine at Sea®」を掲げるオーシャニアクルーズならではの料理へのこだわりである。エグゼクティブ・カリナリー・ディレクターを務めるのは、フランス料理界で名誉ある「フランスのマスター・シェフ」の称号を有するエリック・バラルとアレクシ・クアレッティの二人。この称号を持つシェフを二人擁するクルーズラインは、オーシャニアクルーズをおいて他にない。
船内には12のレストランと5つのバーが揃い、乗組員のおよそ半数を料理関連スタッフが占めるという。エグゼクティブ・カリナリー・アドバイザーであるジャック・ペパンの名を冠したフレンチレストラン「ジャック」では、洋上最高峰の本格的なフランス料理をソムリエが厳選するワインと共に堪能できる。クラシックなステーキハウス「ポログリル」では、目の前でシーザーサラダを仕上げるサービスとともに熟成肉や新鮮なロブスターなどのグリルを味わえる。異国情緒漂うインテリアが印象的なアジアンフュージョン「レッドジンジャー」、イタリア各地の郷土料理を提供する「トスカーナ」、そしてヘルシー志向のゲストに支持される「アクアマールキッチン」まで、その時の気分で選べるバラエティ豊かなダイニングなら、長い航海であっても飽きが来ない。そして、この船の品格を体現するメインレストラン「グランドダイニングルーム」では、予約不要で好みの時間に優雅な食事を楽しめる。また、新設された「クレープリー」では、クレープのほかにワッフルやジェラートなどが用意され、船上で過ごすひとときを華やかに彩る。
朝の穏やかな海を眺めながらの朝食から、煌めく夜景とともに味わうディナーまで、オーシャニア アリューラのダイニングは単なる食事の域を超えた、洋上最高峰の美食体験として深く心に刻まれる。
The Art of Relaxation
どこにいても、くつろげる場所がある
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(1)船内の社交の中心として親しまれる「ラウンジ」には優雅な時間が流れる。(2)デッキ6からデッキ5へと続く螺旋階段には、天井から降り注ぐようなシャンデリアのアートが輝く。(3)デッキ15船首側の「アクアマール スパ テラス」には、ジャグジーやサンデッキが備わり、海風を感じながらゆったりと過ごせる。(4)水平線へと沈む夕陽を眺めながら、優雅なディナータイムを満喫。(5)バー「マティーニ」では、18種類もの個性豊かなマティーニが用意されている。
オーシャニア アリューラの魅力は、船内を歩き進めるたびに異なる表情のくつろぎと出会えることにある。柔らかな灯りに包まれた「ラウンジ」では、夕暮れ時になると弦楽の調べが心地よく響き、時を忘れて過ごしたくなる優雅な空間が広がる。熟練のバーテンダーが一杯ずつ丁寧に仕立てるカクテルが味わえるバー「マティーニ」には、静謐な時間が流れる。また、降り注ぐ陽光に包まれたプールデッキでは、趣向を凝らしたサンデッキやジャグジーが用意され、まるで上質なビーチリゾートに滞在しているかのような開放感を味わえる。船内各所を彩るモダンアートの数々は、洗練された美意識と心地よさを静かに物語る。吹き抜けのアトリウムに優美な曲線を描く螺旋階段もまた、この船を象徴する美しい意匠のひとつだ。
そして一日の終わりには、夕陽に染まる海を望む窓際の席で、グラスを傾けながら過ごす穏やかで親密なひとときが訪れる。ライブラリーで頁をめくる静かな時間、デッキを渡る潮風に身を任せて、刻々と表情を変える航跡を眺めながらの語らい。オーシャニア アリューラには、上質なくつろぎの空間が随所に用意されている。
今回の旅は、アドリア海最北端に位置する港町トリエステから始まった。穏やかな入り江に大小さまざまなヨットが並ぶマリーナを眺めながら、静かな船出を迎えた。クルーズ5日目には、“アドリア海の真珠”と称されるドゥブロヴニクへ寄港。城壁沿いを歩けば、赤瓦の屋根が連なる旧市街と、紺碧の海が織りなす壮大な景色が目の前に広がっていた。さらに南へ進み、古代文明の面影を今に伝えるアテネへ。幾千年もの時を超えて丘の上にそびえるパルテノン神殿は、まさに荘厳そのものだった。その後、船はエーゲ海の島々へ。断崖に白亜の街並みが連なるサントリーニ島では、青い海と白い建物が描く絶景に心を奪われた。そして航海のフィナーレは、東西の文化が交差する都市イスタンブール。ボスポラス海峡を行き交う小舟の向こうで、モスクの尖塔が夕陽に染まる幻想的な光景が、旅の余韻を優しく締めくくった。
Information
オーシャニアクルーズ
https://jp.oceaniacruises.com/
Destination
Memories of Enchanting Port Towns Aboard
Oceania Allura
オーシャニア アリューラで辿る、
美しき港街の記憶

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(1)テンダーボートに乗り込んでギリシャ・サントリーニ島へ。断崖の上に白壁の建物が連なるフィラの街が、エーゲ海の紺碧を背景に優雅な姿を見せる。(2)トルコ・イスタンブールでは、美しいドームと天空へ伸びる6本のミナレットが印象的なスルタンアフメト・モスク(通称ブルーモスク)を船上から望む。海上から眺めるその壮麗なシルエットは、東西文化が交差する古都の象徴そのものだ。
オーシャニアクルーズが選び抜く寄港地は、悠久の歴史と豊かな文化が息づく古都から、
まだ広く知られていない隠れた魅力を湛える港街まで実に多彩だ。
ゆとりあるスケジュールによって、旅人は時間に追われることなくその土地の空気に身を委ね、街並みや人々との出会いを心ゆくまで味わうことができる。
寄港地ごとに異なる景色や文化が織りなす体験は、
感性を刺激する新たな発見と深い感動をもたらしてくれるだろう。
それでは、オーシャニア アリューラの航海で出会った、
美しく印象的な港街の数々をご紹介しよう。
世界遺産アルベロベッロへの玄関口として知られるバーリ。
そして、切り立つ山々と悠久の城壁に抱かれた美港コトル。
オーシャニア アリューラとともにアドリア海が秘める美しき物語を巡る旅が始まった。
アドリア海に浮かぶ麗しき島、
フヴァル
イタリア北東部の港町トリエステを静かに離れたオーシャニア アリューラ。その最初の寄港地が、クロアチア屈指のリゾートアイランドとして知られるフヴァル島。そこは、まるで絵本の中に入り込んだかのような風景だ。陽光に照らされた石造りの街並み、小舟やヨットが彩る穏やかな入り江。ウォーターフロントには洗練されたカフェやレストランが軒を連ね、世界中から訪れた旅行者たちが思い思いの時間を愉しんでいる。近隣の無人島や洞窟を巡るプライベートボート。―
そこに流れているのは、誰もが一度は憧れるヨーロッパスタイルのサマーバケーションそのものだった。
南イタリアの世界遺産の街、
アルベロベッロへ
クルーズ3日目、船は南イタリア・プーリア州の州都バーリへ入港する。ここから向かったのは、ユネスコ世界遺産に登録されるアルベロベッロ。白壁と円錐形の屋根を持つ伝統建築「トゥルッリ」が建ち並ぶこの街には、おとぎ話の舞台さながらの風景が息づいている。オーシャニアクルーズの寄港地ツアーでは、土地の歴史や文化に精通したガイドの案内のもと、街の魅力を余すことなく堪能できた。さらに、実際に人々が暮らすトゥルッリの内部を見学する機会にも恵まれた。地域の日常と伝統に触れるこうした特別な体験こそ、オーシャニアクルーズならではの価値といえるだろう。
城壁に守られた美港、コトル
朝、キャビンの窓を開けると、澄み渡る空気が室内を満たす。テラスへ出ると、眼前には複雑な入り江が織り成す幻想的な風景。船はフィヨルドを思わせる湾奥へとゆっくり進み、その先にモンテネグロの古都コトルが姿を現す。デッキ12のテラスカフェで朝食を楽しみながら眺める海は、まるで鏡のように穏やかだ。湖面を思わせる静寂の水面、その向こうには中世の面影を色濃く残す街並みが広がる。コトルは古来、天然の良港として栄え、幾多の帝国の影響を受けながらも独自の自治と文化を守り続けてきた。15世紀、ヴェネツィア共和国の統治下で築かれた総延長約4,5kmに及ぶ壮大な城壁は、今なお街を見守る存在としてそびえ立つ。城壁の内部には、長い歴史の積み重ねがもたらした奥深い魅力が息づいている。静かな入り江に抱かれたその佇まいは格別な美景だった。
アドリア海クルーズのハイライトとして名高いドゥブロヴニク。城壁に囲まれた旧市街へ足を踏み入れると、そこには時が止まったかのような美しい世界が広がる。この日はあえて寄港地ツアーに参加せず、自らの足で街を巡ることにした。まず向かったのは、街を取り囲む壮大な城壁の上。要塞へと続く石段を上り、城壁沿いの歩廊を進む。眼下に広がる旧市街のオレンジ色の屋根の建物、その先に広がるアドリア海の蒼。その光景は、一枚の絵画のようだ。城壁の外側に目を向けると、切り立つ岩場を利用したビーチが姿を現す。陽光を浴びながら寛ぐ人々、岩場から海へ飛び込むスリルを楽しむ人。沖合をゆったりと進むヨット、そして、歴史建築が連なる美しい街並み―
それらを眺めながら気ままに歩くのは、この上なく爽快なひと時だった。
出航時間を迎え、船は水平線へと沈みゆく夕陽を追いかけるようにドゥブロヴニクの港を離れる。レストランでは、その日の感動を語り合いながらディナーを楽しむゲストたちの姿があった。
終日航海日。この日は船そのものが優雅なリゾートとなる。船内には高揚感が漂い、ゲストたちは思い思いのスタイルで洋上バカンスを満喫していた。朝からシャンパンを傾けながら語らう人々。プールサイドのカバナで読書に没頭する人。ラウンジのソファに身を預け、水平線を眺めて過ごす人。時計を気にする必要のない一日。その贅沢な時間の流れこそが、クルーズの醍醐味なのだろう。
やがて船はアドリア海を後にし、無数の島々が浮かぶエーゲ海へ。最初の寄港地はクレタ島のハニア。港を彩る建物や街角には鮮やかな色彩があふれ、降り注ぐ陽光が街全体を明るく包み込む。そこには、アドリア海沿岸の城塞都市とは異なる空気が流れていた。そして、サントリーニ島へ。断崖を縁取るように築かれた白亜の街並みが世界中の旅人を魅了してやまない。その絶景を求めて、夏になると多くのクルーズ船がこの島へと集う。青く輝くエーゲ海と純白の建物が織りなすコントラストは、まるで神話の世界を目の当たりにしているかのような美しさだった。その後、アテネでは古代ギリシャ文明の象徴であるパルテノン神殿を訪れ、ミコノス島では白の迷路を彷徨った。
オーシャニア アリューラに乗船した14日間の船旅。その終着地は、トルコ最大の都市イスタンブール。古より宗教、文化、交易の架け橋として重要な役割を果たしてきた。その歴史が物語るように、イスタンブールは今なお世界中の旅人を魅了する国際都市である。
異国情緒と活気にあふれる「グランドバザール」は、イスタンブール観光で絶対に外せないスポットの一つだ。世界最大級にして最古のバザールの一つとして知られ、迷路のように入り組んだ通路が無数に広がり、もはや市場というより街と呼ぶ方がふさわしい。終わりの見えないバザールを歩いていると、時空を超えて往時の世界へ迷い込んだかのような錯覚を覚える。そこには、長い歴史の中で育まれてきたイスタンブールならではの魅力が息づいていた。その他にも、ブルーモスクと呼ばれる「スルタンアフメト・モスク」、トプカプ宮殿内の「ハーレム」など、オスマン帝国の栄華を垣間見ることができる。
東洋と西洋、古代と現代が交差するイスタンブール。船旅の締めくくりにふさわしいこの街は、忘れ難い思い出と余韻を残してくれた。
アドリア海を南下し、悠久の歴史が積み重なるイスタンブールへ。14日間の船旅を締めくくるにふさわしい滞在先として選んだのは、アジアとヨーロッパを隔てるボスポラス海峡沿いに佇む「マンダリン オリエンタル ボスポラス イスタンブール」。高級住宅街クルチェシュメ地区のウォーターフロントに位置するこのホテルは、東西文明が交差するイスタンブールならではの魅力と、現代ラグジュアリーの洗練とを見事に融合させた特別な存在だ。
館内には、マンダリン オリエンタルならではの東洋的な美意識が静かに息づく。上質な木材や艶やかな天然石、選び抜かれたファブリックが織りなす空間は、控えめでありながら揺るぎない品格を漂わせる。また、客室やスイートの窓辺からは、きらめくボスポラス海峡と緑豊かな庭園が望め、まるで湖畔に建つリゾートのような優雅さに包まれる。船旅を終えたのち、海を望むテラスでゆるやかに過ごす午後や、スパでのトリートメントは、旅のフィナーレにさらなる彩りを添えてくれるだろう。東西文化の交差点として栄えたイスタンブール旧市街のグランドバザールやアヤソフィアといった歴史的名所へのアクセスにも優れ、クルーズでは味わい尽くせなかった街の奥深い魅力に触れることができる。
旧市街の喧騒から距離を置き、水面にきらめく光を眺めながら旅を振り返る。マンダリン オリエンタル ボスポラス イスタンブールは、ラグジュアリーの世界を知るエグゼクティブを迎えるにふさわしい品格を携え、長旅の疲れを癒す水辺の隠れ家。船旅の余韻を贅沢に締めくくりながら、帰国までの時間を優雅に過ごすことにしよう。
Information
Mandarin Oriental Bosphorus,
Istanbul
マンダリン オリエンタル ボスポラス
イスタンブール
https://www.mandarinoriental.com/
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TEL +90 212 349 88 88