ほっこり名湯に癒される 至福の湯宿逗留


名湯をゆったりと堪能できる宿を厳選

毎日のストレスから解放され、心身ともに癒されたい― 。コロナ禍がなかなか収束されないこんなご時世だからこそ、日常から暫し離れて、癒しを求める思いはより強くなるものではないでしょうか。本特集では、都心から比較的アクセスのしやすい温泉地から、プライバシーの保たれた極上の宿を厳選。露天風呂を備えた客室でのんびり過ごすといった、ウィズ・コロナの時代の新しいお籠りスタイルの温泉の旅を提案します。

南熱海網代温泉 – 雅の宿 山龢 –
~熱海の奥座敷に佇む絶景の宿~

陽光に煌めく相模湾を眼下に望む小高い丘の上。高級温泉旅館「雅の宿 山龢」は熱海の奥座敷、網代に3年前、誕生した。「山龢」とは、山と海、人と自然、日常と非日常などの対比・調和を表した造語で、その名称には〝究極に充実した〞というニュアンスが込められているという。癒しを求めて訪れるゲストに至福のひと時を過ごしてもらいたい―、そんな想いでゲストを迎え入れる総女将の芹澤玲子さんに、おもてなしの宿の魅力を語っていただいた。
-雅の宿 山龢 総女将 芹澤玲子さん

熱海の奥座敷、網代に立地

熱海から車で 分ほど。網代は 熱海の喧騒から程よく離れ、豊か な自然に恵まれた静かな土地です。穏やかな港町としての一面もあり、その風情と町の人の人柄の良さも魅力。干物屋が軒を連ねる田舎の温かさをそこかしこに感じられます。少し先の話しになりますが、漁港でお盆に開催される花火大会は本当に素晴らしく、その美しさに涙が出るほどの感動を味わえます。私どもの旅館はそんな網代の高台に佇み、相模湾を大きなスケールで見渡せる素晴らしい眺望が自慢です。各部屋に設えた露天風呂から望む海、黄昏の夕闇に染まる海原、時に鮮やかなムーンロードを楽しめる月夜と星空。さらに正面の初島から昇る朝日、四季折々の山の木々の装いもお楽しみいただけます。

海を望む露天風呂が全室に

内には至るところに木材や天然素材が施され、設えの一つひとつに一切の妥協を許さない職人の技が活きています。本物の仕事が織りなす空間は、自然の安らぎや香り、風情を醸し出すものです。古の技術や文化と近代の最先端設備が調和する居心地の良い空間で寛ぎ、安らぎを感じていただきたい。そのような想いから宿内に意匠を凝らしています。客室はどれも個性的でリピーターの方を飽きさせることはありません。7室ある客室は全室オーシャンビューで露天風呂が備わります。なかでも貴賓室「山」は特別な空間です。1フロアを独占する客室は和モダンの緻密な芸術に囲まれ、最上階ならでは眺望を誇ります。海に面した大きな窓からは相模湾を一望でき、お客様のなかには露天風呂で朝日や夕暮れの海、月夜や星空を眺めながらシャンパンや熱海の地ビールをお楽しみになり、その幸せなご感想をお伝えくださる方も多々いらっしゃいます。
なお、私ども宿の湯の源泉は熱海の温泉の泉質の中でも最も特級といわれる伊豆多賀の温泉です。海近の泉質特有の塩分濃度が高い強塩泉が特徴で、塩ならではのデトックス効果はもちろん、美肌効果、代謝促進、疲労回復、免疫力アップなどが期待できます。様々な効能を身体全身で感じながら、絶景の大海原に浸かるように露天風呂をお楽しみいただけたら本望です。

鮮魚が自慢の和のオーベルジュ

貴賓室「山」には専用の食事の部屋が用意され、他に類を見ないお茶室仕立ての特別空間となっております。食事の準備や片付けの時間もゲストの皆様の邪魔をしたくないとの配慮から、どの客室でも食事は別室の個室を設けております。また連泊の方にはご要望によりお部屋で昼食の提供もしており、お籠りなさるゲストの皆様もプライバシーの保たれた空間でゆったりとお好きなようにリラックスタイムをお過ごしいただいております。お出しする料理については、ゲストの方に「和のオーベルジュ」と仰っていただいたことがあります。郊外の、その土地の食材を主に使った料理を振る舞うことから、「お食事を楽しめる宿」という評価をいただいております。実際、相模湾で捕れる新鮮な魚は、どこにも負けないと自負しております。これからの春の食材も旬の一番良いものを、瞳にも、お口の中にも、心華咲く満足を得られますことをお約束します。

極上のおもてなしで至福の時を

雅の宿 山龢に滞在いただくゲストの皆様には、日常から解き放たれて、非日常の時空のなか、王様、お姫様になったように心の赴くまま、ゆったりと心身をほぐしてお過ごしいただきたく存じます。開業から3年、これからもゲストの皆様のご要望に寄り添い、コロナ禍でのご不安のなかでも唯一安心して訪れることができる場所となれますよう、他のお客様との接点のないご対応、大切なお客様の安全第一の徹底を実施いたします。

̶ 雅の宿 山龢̶ 最上級のおもてなし

山龢が提供する「プライベートチャーター」とは、1日1組限定の全館貸切りプランのこと。全7室だけの宿だから実現が可能な贅沢なプランでは、最小1名から最大15名まで利用でき、特別な料理でゲストをおもてなしする。プライバシーが完全に保たれた空間を独占できるため、特別な仲間同士での滞在はもちろん、企業の会合や接待などでの活用も多いそう。外界を完全にシャットアウトして、極上の空間とサービスを享受しながら、心身ともにリフレッシュしたい方におすすめだ。

  • 客室面積68m²を誇る貴賓室「山」。銀座の桜製作所の家具デザイナー、ジョージナカシマの家具を配置するなど、細部にまで徹底的にこだわったハイセンスな空間が魅力だ。

  • 「山」に隣接する「利休」は、「山」の宿泊者だけのためのお食事処。お茶室仕立ての特別な空間で、誰にも邪魔されずに食事をいただける。

  • 目の前に迫る相模湾からの風を頬に受けながら、日がなテラスで過ごす時間は格別。テラスには露天風呂も備わる。

  • SANGA倶楽部 会員募集

    SANGA倶楽部では会員様を募集しております。「雅の宿 山龢」は、料亭「神楽坂さんが」や和食店「池袋SANGA」とグループになっており、熱海の宿以外は会員様と会員様のご紹介がある方のみにご利用いただける施設となっております。
    今回PAVONEの読者様に限りまして、特別に会員様以外でもご予約を承らせていただきます。PAVONE読者様限定のご予約は、下記のSANGA倶楽部事務局までお電話ください。

    ◎ご予約・ご入会に関するお問い合わせ

    SANGA倶楽部事務局
    TEL:03-6914-1025(13時~17時:土、日、祝日を除く)
    e-mail:office@sanga-club.jp

  • 格調高い和のスタイルに現代的なデザインが調和する空間。ロビーに一歩足を踏み入れた瞬間、そこが特別な場所であることに気付くはずだ。

Information

静岡県熱海市網代 591-102
TEL 0557-68-3310
https://atami-sanga.jp/

箱根大涌谷温泉 – KANAYA RESORT HAKONE –
~ジョン・カナヤが愛した、森の別邸~

  • フォレストテラスは箱根仙石原の豊かな木々に抱かれた空間。ここでの森林浴も滞在の楽しみの一つ。

    シックな空間の「西洋膳所 JOHN KANAYA」。

  • 館内を彩るのは、フランスの彫刻家ガブリエル・ロアールのグラスアート。ジョン・カナヤは芸術をこよなく愛し、特に東洋と西洋の美を内包するロアールの作品に共鳴した。

静寂に包まれる、美しき森のリゾート

「ジョン・カナヤが愛した、森の別邸」をリゾートのコンセプトに掲げる。ジョン・カナヤとは日本最古のリゾートホテルとして名高い日光金谷ホテルの創業者、金谷善一郎の孫にあたる人物。自身も一族のパイオニア精神を受け継ぐように鬼怒川金谷ホテル創業の指揮を執り、日本の伝統を礎に西洋のモダンスタイルを積極的に取り入れ、国内ホテル産業の近代化にも多大なる貢献を果たしてきた。「KANAYARESORTHAKONE」はそんな彼の意思を継承し、オマージュとなる森のリゾートだ。ジョンの繊細な感性を象徴する「和敬洋讃」〜EastmeetsWest〜のおもてなしは館内の随所に息づく。例えば、メインダイニングの「西洋膳所JOHNKANAYA」もその一つ。
ジョンの和敬洋讃に導かれ、ヌーヴェルキュイジーヌの先駆けとなった伝説のレストラン「西洋膳所ジョンカナヤ麻布」の伝統を継ぎつつ、山海の幸に恵まれる箱根という土地のテロワールを織り交ぜ、新感覚の金谷流キュイジーヌの世界へと誘ってくれる。そして、箱根の真骨頂といえる温泉も然り。稀少な天然の療養の湯として知られる大涌谷温泉を引湯し、全室にプライベート天然温泉を備えるという贅沢。和洋様々な設えの空間のなか、激動の時代を生きた先人に想いを馳せ、名湯を存分に堪能したい。

  • 箱根の旬の食材を吟味した金谷流キュイジーヌに舌鼓を。

客室は全部で14室。最高級室である「JOHN KANAYA Suite」には十和田石造りの浴槽による露天風呂が備わり、箱根の豊かな自然を眺めながら名湯を心ゆくまで愉しめる。

「JOHN KANAYA Suite」の室内には西欧アンティークの家具が配され、絵画などと共に優雅で極上の空間を演出している。

Information

神奈川県足柄下郡箱根町仙石原 1251-16
TEL 0120-016-545
https://hakonekanaya.com/

浅間温泉 – 松本十帖 松本本箱 –
~知識の森で読書と温泉に浸る~

  • 以前は旅館の大浴場だった空間を改装した「オトナ本箱」。浴槽に“座って”本を読むという珍しい体験ができる。

    薪火で焼き上げた料理の味わいは格別。信州のローカルガストロノミーを存分に味わいたい。

  • 客室は8 タイプ全24室がラインアップ。全室に源泉かけ流しの露天風呂が備わる。

    レセプションは街歩きを楽しんでもらえるようホテルの敷地外に配置される。元は置屋だった建物が改装されており、往時の情緒が今も漂う。

    客室にも本が設置される。

新コンセプトで生まれ変わった老舗旅館

言い伝えによると、大和朝廷の貴族たちの別荘地を起源とする浅間温泉。鎌倉時代には名湯湧き出る奥座敷として武士たちが足繁く通うなど、歴史ある温泉地として知られる。「松本十帖松本本箱」は、この地で330年以上の歴史を誇る老舗旅館「小柳」の再生を引き受け、昨年、〝ブックホテル〞として生まれ変わった。ブックホテルとは聞きなれない言葉だが、「豊かな知との出会い」をテーマに、ホテルに滞在中、温泉や地元の味覚を堪能するだけに限らず、本と共に過ごす時間の魅力を提案している。施設1階には一般的なホテルでは珍しい本屋「Bookstore松本本箱」が展開。大人から子供までが楽しめる1万2000冊の本を取り揃える。滞在中、いつでも本の世界へと飛び込めるようになっているわけだ。薪火グリルダイニング「三六五+二(367)」では信州の風土や歴史、文化までを感じられる料理を提供しており、この空間もまた本に囲まれるなど、本へのこだわりは徹底している。また、ホテルの客室と廊下には本棚が置かれ、自由に手に取って客室に持ち込むことができるとのこと。源泉掛け流しの露天風呂が備わる客室で極上の湯を堪能したら、湯上りに読書に耽る。そんなのんびりとした滞在も魅力的だ。

Information

長野県松本市浅間温泉 3-15-17
TEL 0263-46-0500
https://matsumotojujo.com/