Dorchester Collection
ドーチェスター・コレクション
Timeless Beauty & Eternal Refinement ― 永遠の美と洗練が宿る

パリの街並みとエッフェル塔を一望する「ホテル・プラザ・アテネ」のスイートルームのバルコニーからの眺望。
世界の旅人を魅了する3つの物語
「ドーチェスター・コレクション」という名は、単なるホテルブランドを超えた存在だ。ロンドンのザ・ドーチェスターに端を発し、各地の文化と歴史に深く根ざした比類なきホテルを世界各地に展開する。今回訪ねるのは、イタリア・ローマのホテル・エデン、そしてフランス・パリのホテル・プラザ・アテネとル・ムーリス。美と洗練が時代を超えて輝くこの3つの邸宅は、旅に新たな意味を与えてくれる。さらに、パリ近郊の古都ランスでは、老舗シャンパーニュ「テタンジェ」のシャトーで、黄金に輝く泡の美学に触れ、旅はひとつの芸術作品として完成する。
写真・文:大橋マサヒロ
Hotel Eden
ホテル・エデン
イタリア/ローマ

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(1) スペイン広場近くの丘の上に静かに佇むホテル・エデンの正面玄関。白を基調とした端正なファサードと制服姿のドアマンが出迎える。(2) 気品が漂うエントランス・ロビー。その先にはロビーラウンジ「ラ・リブリア」がある。
スペイン広場の丘の上に静かに佇むホテル・エデンは、緑豊かなボルゲーゼ公園に隣接し、ローマの喧騒を忘れさせる気品ある落ち着きを漂わせている。多くの歴史的名所やショッピングストリートが徒歩圏内にある立地の良さも魅力。1889年の開業以来、世界の名だたるセレブリティや銀幕のスターに愛されてきた歴史を持つ。なかでも往年の大女優、イングリッド・バーグマンはこのホテルをこよなく愛し、ローマ滞在中は私邸のように過ごしていたという。
創業以来、歴史を尊重しつつ、常に時代の最先端を意識しながら温かなもてなしでゲストを迎えてきたホテル・エデン
永遠の都・ローマで過ごす甘美な時間
正装したドアマンに迎えられ館内へ一歩足を踏み入れると、そこにはまるでプライベートレジデンスのような静かで落ち着いた空間が広がる。レセプションスタッフをはじめ、館内のどのスタッフもフレンドリーでありながら細やかな心配りを忘れない。一流ホテルでありながら、どこか温かく、親しみやすい空気に包まれているのが印象的だ。適度な距離感を保ちながら自然に会話を交わすレストランやバーのスタッフの陽気な笑顔もまた、ローマならではのおもてなしと言えるだろう。レセプションの奥にはロビーラウンジ「ラ・リブリア」があり、昼間は柔らかな光に包まれながらティータイムを楽しむことができる。そして日が暮れる頃、壁際の書棚が静かに開き、そこからスピリッツやグラスが現れるという遊び心に満ちた演出が用意されている。ディナー前のアペリティーボから夜を締めくくるグラッパまで、ゲストは思い思いの時間をゆったりと過ごすことができる。
イタリアの美に満ちたシグネチャー・スイート
客室は全128室。どの客室も天井が高く開放的で、豪華さだけではなく居心地の良さを何よりも大切にしていることが伝わってくる。室内にはさりげなくイタリアンアートが飾られ、モザイク装飾が美しいバスルームを備えた客室もある。特筆すべきは趣の異なる4つのシグネチャースイートだ。なかでも「ドルチェ・ヴィータ・スイート」は、1960年公開の映画『甘い生活』をイメージした客室で、映画のワンシーンを思わせるエレガントなリビングが印象的だ。ホテルオリジナルのレコードがプレイヤーにセットされ、流れてくるアナログの音色が、甘くどこか懐かしいローマの記憶を呼び起こしてくれる。
最上階のルーフトップ・レストラン「ラ・テラッツァ」では、ミシュランスターシェフのサルヴァトーレ・ビアンコが腕を振るう。夕暮れ時には、ヴァチカンの鐘楼やローマ旧市街が連なる壮大なパノラマが広がり、街全体が黄金色に染まる様は、まるで映画のワンシーンのよう。窓の外に広がる絶景と美食とのマリアージュは忘れられないひとときとなるはずだ。
Information
Hotel Eden(ホテル・エデン)
Via Ludovisi 49, 00187 Rome
TEL +39 06 478121
https://www.dorchestercollection.com/rome/hotel-eden
Hôtel Plaza Athénée
ホテル・プラザ・アテネ
フランス/パリ

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(1)ホテルのバルコニーから望むエッフェル塔。真紅のゼラニウムが彩るファサードと鉄製の手すりの向こうに広がる、パリならではの絶景。(2)アヴェニュー・モンテーニュに佇むホテル・プラザ・アテネの外観。1913年の開業以来、世界中の文化人や映画スターを魅了し続けてきた。(3)クリスタルのシャンデリアがきらめく優雅な「ル・ギャラリー」。アフタヌーンティーやシャンパンをゆったりと楽しめるホテル・プラザ・アテネを象徴する洗練された空間。
バルコニーからエッフェル塔を眺めながら飲むシャンパン。館内を満たすフレッシュフラワーの香り―ホテル・プラザ・アテネの記憶は、これまで経験したことのない珠玉の滞在となる。
パリのエレガンスを象徴する華麗なるパラスホテル
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(1)レストラン「ジャン・アンベール・オ・プラザ・アテネ」では、大理石を使用したテーブルと金箔で彩られた天井がゲストを華やかに迎える格調高い空間が広がる。
(2)特別なゲストのために用意されたシェフズ・テーブル。
(3)「ル・ルレ・プラザ」はアールデコ様式のダイニング。洗練されたインテリアが美しい活気あるブラッスリー。
(4)「ル・バー」の幻想的な天井に灯る光に包まれながら過ごす時は、パリで過ごす夜を特別な記憶に変えてくれる。
(5) 地下のワインセラーでヴィンテージワインやシャンパンをテイスティングする特別な体験。
(6)(7) レストラン「ジャン・アンベール・オ・プラザ・アテネ」のディナー。繊細で季節感のある前菜に始まり、ブリオッシュにキャビアを贅沢にあしらったシグネチャーメニューが続く。
(8)(9) 客室は宮殿のような華やかさがありながら、アンティーク調のインテリアや調度品によって落ち着きを感じさせてくれる。
(10)優雅な曲線的なデザインが印象的なアール・ヌーヴォー様式の階段。
(11)エントランスを入るとエレガントな雰囲気が漂うレセプションとコンシェルジュデスクが配置されている。
(12)「ディオール・スパ」は静寂に包まれた究極のウェルビーイングな空間。
(13)クリスチャン・ディオールの創業の地、モンテーニュ通り30番地にある「ディオール美術館」には、オートクチュールドレス、アーカイブのスケッチ、アクセサリーなど、75年以上の歴史と偉業を物語る作品が並ぶ。
(14)クリスチャン・ディオール氏はホテル・プラザ・アテネを頻繁に訪れていた。館内に飾られているサイン入りの写真がその親密さを物語る。
フランスの美意識が宿る特別な滞在
パリ8区、フランス屈指のラグジュアリー・ストリート、アヴェニュー・モンテーニュに佇むホテル・プラザ・アテネ。1913年の開業以来、一世紀以上にわたり世界中の文化人や映画スターを魅了し続けてきた。クリスタルのシャンデリアが輝く優雅な回廊、真紅のゼラニウムで彩られたファサード、そしてエッフェル塔を望む絶景のテラス―ホテル・プラザ・アテネは、パリという都市が体現する美の真髄そのものだ。
208室の客室とスイートは、クラシカルな優雅さと最新設備を融合させた空間。モノグラム刺繍の高級リネン、フランス製のアメニティが揃い、一部スイートのテラスからはエッフェル塔を間近に仰ぎ見ることができる。
美食においても、このホテルは別格だ。パリでも屈指の話題を集めるレストラン「ジャン・アンベール・オ・プラザ・アテネ」が2020年に開業。テーブルセッティングからサービススタッフの制服にいたるまで、すべてにフランスの美意識が行き届く。1981年生まれのジャン・アンベールがアラン・デュカスの後継として料理長に迎えられたことも、大きな注目を集めた。古典フレンチの定番を、斬新なソースでモダンに昇華した料理は、国内外の美食家を虜にしている。そのほかにも、アフタヌーンティーとシャンパンを優雅に楽しめる回廊ラウンジ「ル・ギャラリー」、アールデコ様式の趣あるインテリアに包まれながら気軽にフレンチブラッスリーを味わえる「ル・ルレ・プラザ」では、モンテーニュ通りを行き交う人々を眺めつつ、エッフェル塔を一望するテラス席も魅力だ。美食に満たされた後は、世界中のセレブリティがパリで必ず訪れると言われる「ル・バー」へ。瀟洒なインテリアに包まれ、熟練のミクソロジストが手がける至極のカクテルに酔いしれたい。
特別な体験として、ホテルの地下セラーでのワインテイスティングが挙げられる。貴重なヴィンテージが並ぶセラーの奥へと進めば、その日訪れるゲストのために用意されたテーブルには、テイスティング用グラスがセットされている。特別に招かれた者だけが足を踏み入れることのできる地下のセラーで、ソムリエとの会話を楽しみながら、夢のような時間がゆるやかに流れていく―。
ディオールとモードの回廊から癒しの世界へ
アヴェニュー・モンテーニュには、クリスチャン・ディオール、シャネル、フェンディが軒を連ねる。その中心に位置するホテル・プラザ・アテネは、ファッションウィーク期間中、世界中のエディター、バイヤー、セレブリティが集う社交の場となる。ホテル内のギャラリースペースではコンテンポラリーアートの展示や特別なクチュールの展覧会が随時開催され、ロビーを飾るセレブリティたちの写真とともに、ここを歩くことは20世紀のモードの歴史をたどることでもある。
「ディオール・スパ」は、メゾンとホテルが共同で手がけるウェルネス施設。ディオールが独自開発したプレステージスキンケアラインを用いたフェイシャルトリートメントをはじめ、随所にディオールの世界観が息づく。静寂に包まれたこの空間では、真の意味での究極のリラクゼーションが体験できる。
パリへ行くことより、ホテル・プラザ・アテネに宿泊することそのものが目的となる―そんな究極のホテル滞在が待ち受けている。
Information
Hôtel Plaza Athénée(ホテル・プラザ・アテネ)
25 avenue Montaigne, 75008 Paris
TEL +33 01 53676665
https://www.dorchestercollection.com/paris/hotel-plaza-athenee
Le Meurice
ル・ムーリス
フランス/パリ

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(1)豪華なクリスタルシャンデリアやインテリアが優雅な食事を演出する「ル・ムーリス・アラン・デュカス」。
(2)食事を提供する熟練スタッフの凛とした所作や装いからは、ホテルの品格が感じられる。
チュイルリー庭園を見下ろすリヴォリ通り228番地―重厚なエントランスをくぐれば、古き良きフランスの輝きを凝縮したかのような豪奢な世界が眼の前に広がる。現存するパリのホテルのなかで最古の歴史を誇る「ル・ムーリス」―ここでしか味わうことのできない、最高峰の非日常を求めて、人々が集う。
パリ最古のホテルに纏う 時代を超える格式
1835年の開業以来、イギリスのヴィクトリア女王、スペインのアルフォンソ13世をはじめ、各国の王侯貴族が幾度となく訪れた由緒あるホテル「ル・ムーリス」。世界的なアーティストたちが創作の拠点として長期滞在したエピソードも数多く残る。類まれなる居心地のよさと、190年の歴史によって研ぎ澄まされた極上のホスピタリティは、今もなお脈々と受け継がれている。
館内には、18世紀フランスの美意識を体現したかのような優雅な空間が広がり、歴史と芸術が静かに調和するインテリアは、まるで美術館の中で暮らしているかのような感覚をもたらす。全160室のゲストルームとスイートは、チュイルリー庭園やリヴォリ通りを見渡す絶好の立地に設けられている。ベルエポック様式の調度品、淡いクリームと鮮やかなボルドーが織りなす配色、大理石のバスルーム―細部に至るまでフランス宮廷の様式を踏まえながら、現代的な快適性を融合させた空間だ。最上階のスイートに備わる屋上テラスからは、パリの歴史的な建物からルーブル美術館、さらにエッフェル塔が一望できる。
芸術へと昇華する美食体験
5つ星より上の最高級クラス「パラス」の称号がつくこのホテルでは、もちろんガストロノミーへのこだわりは一言では語り尽くせない。ヴェルサイユ宮殿の平和の間から着想したとされるメインダイニング「ル・ムーリス・アラン・デュカス」のインテリアは豪華絢爛の極み。2016年に建築家フィリップ・スタルクが新たな演出を加えたことで、天井には細密なフレスコ画が広がり、訪れるゲストを非日常へと誘う空間は、伝統的な要素を頑なに堅持しながらも、古さをまったく感じさせない洗練さがある。2020年には、新しい感性で伝統的なフランス料理を解釈する若きシェフのアモリー・ブウールをエグゼクティブシェフに迎え、アラン・デュカスのエスプリを受け継ぎながら新たな魅力を発信している。ここでは、シャンデリアが輝くディナータイムも素晴らしいが、自然光が降り注ぐ朝食もおすすめだ。また、ロビーに隣接する「レストランル・ダリ」は、長年の常連だったサルバドール・ダリへのオマージュを冠した空間。天井を華やかに彩る大胆なアートワークは、フィリップ・スタルクの娘にして気鋭のアーティスト、アラによる渾身の作品だ。朝食の静謐な時間から、優雅なティータイム、そして夜のディナーへ―昼夜を問わず賑わいを見せるダイニングの空間において、席に着くゲストのひとり一人が、まるでその天井画のキャンバスから解き放たれた作品の中の一部であるかのような幻想的な演出効果を生み出している。そして、美食を極める者だけに許された至高の体験が、ランチとディナーそれぞれ一組限定のシェフズ・テーブルだ。スタッフが行き交う通用口をくぐり、外の喧騒を遮断した先に現れるのは、漆黒を纏った凛とした空間。その中央には、流麗な曲線を描くゴールドのテーブル。着席してしばらくすると、幕がゆっくりと上がる―窓越しには、シェフたちが見事な手さばきで料理を仕上げるライブキッチンが姿を現す仕掛けだ。美食の宴は、ここに極まる。
食事を堪能した後に向かうべきは、パリの夜を官能的に彩るバー「228」。生演奏のピアノが奏でる旋律が空間に溶け込み、妖しく揺らめく照明と重厚なレザーのソファーがゲストを誘う―。陶酔と洗練が優雅に交差するこの場所こそ、190年を超える歴史が語る、時を経てもなお色褪せない「ル・ムーリス」という物語なのだろう
Information
Le Meurice(ル・ムーリス)
228 rue de Rivoli 75001 Paris
TEL +33 01 44 58 10 10
https://www.dorchestercollection.com/paris/le-meurice
フランス・シャンパーニュ地方のランスに本拠を置くテタンジェは創業以来、芸術への深い情熱と卓越した醸造哲学を一族の手で守り続けてきたシャンパーニュ・メゾン。その繊細にして優雅な泡は、世界中の美食家を魅了し続けている。
一族が守り続けるシャンパーニュ
テタンジェの歴史は1734年、ランスに設立されたシャンパーニュ・メゾン「フォレスト・フルノー」にまで遡る。20世紀初頭、実業家ピエール・シャルル・テタンジェが、1932年にその名を冠したブランド「TAITTINGER / テタンジェ」として世界への扉を開いた。
エペルネ近郊のピエリー村に佇むシャトー・ド・ラ・マルケットリー―この建物は、18世紀の建築様式が優雅に保存された名建築だ。正面の庭園に咲くラベンダーと、レンガ造りのファサードが醸し出す品格ある佇まいは、メゾンの哲学そのものを体現している。邸宅内部には、代々受け継がれてきたアンティーク家具や美術品が並ぶ。歴史と風格が宿るこの空間には、テタンジェ一族の「魂」が今も息づいている。他にも、美しいぶどう畑を眼下に臨む見渡す丘の上に建つパヴィヨン・フランソワ・テタンジェで希少ヴィンテージをいただきながら優雅な時間を過ごしたり、由緒あるプライベートメゾンでのテイスティング・ディナーなど、素晴らしいおもてなしによって、テタンジェの語る哲学を感じることができる。
至高のプライベート体験
テタンジェが提供するのはシャンパーニュだけではない。ランスという都市の歴史と、一族が紡いできた物語そのものを体験する場として、2023年には、新社屋が改装された。世界遺産に登録された丘の上に佇むその地には、モダンで洗練されたテイスティングバーやコンテンポラリーアートのギャラリーを備え、広々としたテラスの先には、四季折々のシャンパーニュ地方の風景が広がる。庭園に点在する現代アートのインスタレーションは、テタンジェが長年にわたり育んできた芸術との深い絆を象徴するものだ。伝統と革新、過去と未来―その静かな対話の場として、新たな名所となっている。
テタンジェは、シャルドネの比率を高めることで、軽やかさと気品、そして長い余韻を湛えた独自のスタイルを確立してきた。グラスに注いだ瞬間、柑橘を思わせる繊細で華やかな香りが立ち上る。口に含めば、きめ細かな泡が静かに広がり、やがて透明感のある美しい余韻が長く続く。グラスの中で静かに弾ける泡―それは土地の記憶であり、造り手の哲学であり、歴史の証人でもある。そして地下のセラーに眠る数百万本のボトルは、時が熟すその瞬間を、静かに待ち続けている。
Information
Champagne TAITTINGER(シャンパーニュ・テタンジェ)
9 Place Saint-Nicaise, 51100 Reims, France
https://www.taittinger.com/ja
問い合わせ先:contactez-nous@taittinger.fr