ボルゴ・イグナシア
古代文明の息吹きと古き良き南イタリアの香りを体感する
〜イタリアで最も新しいラグジュアリー・リゾート〜

プーリア州のほぼ中央に位置する街、ファザーの近郊にある「ボルゴ・イグナシア」。
数年前、大人の映画ファンたちから大絶賛された作品の舞台にもなったユニークなジュアリー・リゾートは、今もよりいっそう世界中のセレブリティたちを魅了し続ける。
そう、映画の主人公のように南イタリアの素敵な館でストーリーに満ちた華麗なバカンスを過ごしてみてはいかがだろうか。

取材・文:朝岡 久美子 写真:内藤 拓

 

©Giorgio Baroni

 

南イタリア、プーリア州。世界有数の観光立国として知られるイタリアだが、この名前を初めて耳にする方も多いことだろう。ブーツ(あるいは長靴)のかたちといわれるイタリア半島の〝かかと〞の部分に位置する細長い半島一帯に広がる州だ。世界遺産もいくつか存在するが、北イタリアや中部の都市と比べて、さほど観光化されていないプーリア州は、どの辺りの地域も、そして、都市さえもいまだ古き良き南イタリアの姿を留めたままだ。
そんなプーリア州のほぼ中央に位置する街、ファザーノ近郊にあるラグジュアリー・リゾート「ボルゴ・イグナシア」。ギリシャ・ローマ古代文明の聖地として考古学ファンの間では有名なファザーノ周辺からは、見渡す限り青い海が見渡せる。
とんがり屋根のかわいらしい家々が立ち並ぶ世界遺産の街アルベロベッロや、夏には世界的な音楽祭が開催され、バロック様式の建物が美しい街マルティナ フランカからも車で30〜40分ほど。プーリアの文化芸術遺産を愛でる旅の際にはぜひ「ボルゴ・イグナシア」にお泊りいただきたい(特にかの有名なアルベロベッロを訪れる際に!)。
5つ星リゾートの洗練と細やかなホスピタリティはもとより、地域に伝わる昔ながらの人々の生活文化の香りを感じさせてくれる個性的なたたずまい――。古 き良き〝プーリアらしさ〞を存分に味わわせてくれるのが何よりもこのリゾートの醍醐味だ。

 

シティホテル型の客室 “Corte Splendida”。

エントランスロビー。かつての大農園の日常を感じさせるしつらえだ。

荘園を思わせる壮麗なヴィラには、地下から2階まで2~3のリビングルームやベッドルームがそろう。

キッチンでは地元の料理自慢の女性たちが朝に晩に伝統の家庭料理を振る舞ってくれる。大農園そのもののライフスタイルが体感できるのが魅力だ。

 

リーディングホテルズに加盟しているホテルだから、洗練さに加え、どこかにユニークさがあるのは当然なのだが、どうやら古代文明の聖地という背景も加わってか、広い敷地に足を踏み入れるだけで壮大な歴史ロマンに浸れるのもこのホテルの妙味というものだろう。
余談だが、「ボルゴ・イグナシア」が一躍有名になった一つの理由は、2014年に日本でも公開されたイタリアの人気映画『はじまりは5つ星ホテルから』だろう。主人公のホ テルジャーナリストが覆面審査でこのホテルを訪れるところから始まるのだが、古代文明の聖地として知られる南イタリアの小さな街に、〝 古き良きプーリアの大農園をイメージしたスタイリッシュなラグジュアリーホテル〞がある、というその意外性が何とも印象的だった。この映画の 影響か、それ以来、ヨーロッパのアッパークラスの紳士淑女たちがこぞって集うハイレベルなスパ・リゾートとして知られるようになった。実際、滞在した二日間も 月の落ち着いた 時期だったせいか、何とも見目麗し いゲストばかりでヨーロッパのハイ ソサエティの世界を体感した感があ る。そういう意味でも、世界中のラグジュアリーホテルを知り尽くした旅上級者のPAVONE読者層にぜひ体験いただきたいデスティネーションだ。

 

左から/“ローマ式風呂” の水風呂。水中で音楽を聴きながらリラックスしたひとときを。 ぜひここではスパも体 験してほしい。オリーブ、ローズマリー、レモンやオレンジとプーリアならではの土地のエッセン スがふんだんに活かされたスパメニューや “ローマ式風呂”で身体も心も癒されるはず。

2,000m²のスパには様々な施設が揃っている。温浴と水風呂の反復浴で新陳代謝を高める本場の “ローマ式風呂”をぜひとも体験してほしい。

左から/“ローカルアドバイザー” という地元出身のコンシェルジュ的な存在のスタッフが、土地の魅力やあらゆる情報を教えてくれるナビゲーター役をしてくれるのも嬉しい(客室カテゴリーによる)。 周辺にはホテル所有の3万本のオリーブの木が植えられている。

 

さて、〝その古き良きプーリアの大農園をイメージしたホテル〞とはいかなるものか…。
カントリーライクなレジデンスタイプの客室(そして、そのキッチンでは大農園の女主人よろしい地元の料理自慢の女性が朝に晩に、腕によりをかけて伝統の家庭料理を振る舞ってくれるのだ!)。荘園のような豪奢なヴィラのプールサイドの木陰で愉しむシエスタのひととき。オリーブやブーゲンビリアが咲き乱れる小道を散策しながら、その昔、中央の小広場で農民たちがタランテッラを踊り明かす情景を想像してみたり…と、思い思いに光り輝く〝農園集落〞 に憩う開放感は格別だ。
7つのレストラン・バー、スパ、 料理教室、ゴルフ、プライベートビーチ、そしてキッズクラブなどのさまざまな施設と豊富なアクティビティも備わっており、ファミリーでもカップルでも、短期でも長期でも、と自由自在にオーダーメイドな滞在をデザインできるのも旅の上級者向きだ。
世界遺産めぐりや南イタリアらしいバロック建築の街並みの美しさを存分に堪能した後は、ぜひ、この地の息吹きを五感で感じるユニークなリゾート体験はいかがだろうか。

 

前菜。アドリア海の海の幸を。

豚肉とラングスティーヌ(手長エビ)の絶妙なカップリング。コーヒー風味のソースとともに。

メインダイニングの“Due Camini”。二つの暖炉の意を持つグルメレストラン。

プーリアの大地の恵みを活かした伝統料理が、総料理長のドミンゴ・シンガロ氏の独創的な技で一段とゴージャスにダイナミックに進化を遂げている。

朝食はダイナミックなビュッフェ。かつて大農園の料理自慢のおかみさんが振る舞った自慢の品々がところ狭しと並ぶ。

 

Information

Borgo Egnazia
Savelletri di Fasano, 72015 Fasano Brindisi, Italy
www.borgoegnazia.com
*レッチェから一番近いブリンディシ空港からも車で約30分(50km)

日本でのご予約・お問合せ
ザ・リーディングホテルズ・オブ・ザ・ワールド
TEL 0120-086-230
www. LHW.com/borgoegnazia