家具の彫刻家 フィン・ユールの世界
讃嘆の造形美に触れる日本初のギャラリー

北欧家具の巨匠、フィン・ユールの新ブランド「HOUSE OF FINN JUHL」。
創造性あふれる世界を演出した日本初となる専門ギャラリーがオープン!

 
右上より時計回りに/1940年に発表した「ペリカンチェア」は、ペリカンが翼を広げた形に似ていることから命名。モダンアートからインスピレーションを受けた彫刻的なフォルム「ベーカーソファ」。 希少な「ニューハウン」シリーズは、カラフルな引き出しがアクセントに。 フィン・ユールの代表作「チーフテンチェア」。

 

独自の構造と造形が生む優美な作品がラインナップ

比類なき創造と造形感覚で独自の世界を生み出し、北欧デンマーク家具を世に知らしめた巨匠のひとり、フィン・ユール。大学で建築学を専攻した彼の作品は、モダンアートの影響を受け、当時のインテリア業界では異端児のレッテルを貼られるほど斬新な彫刻的デザインだった。
しかも、その独創性ゆえ、家具の構 造上において脆さも指摘。日の目 を見ない不遇な時を過ごしたという。やがて著名な家具職人とパートナーを組んだことをきっかけに、独特なデザインはいつしか魅力ある個性として認められていったそうだ。加えて、加工が困難とされていたチーク 材の加工方法を改善し、家具の主要な材料として確立させた功績も残す。そんな中、1940年に代表作「ペリカンチェア」を発表し、またたく間に名声を轟かせ“家具の彫刻家”と讃えられるように。
 
1998年にフィン・ユール夫人の依頼で「ソファNo.57」の生産を手がけ、夫人の信頼を得たことをきっかけに2001年から彼の作品の復刻生産の専有権を取得した北欧ブランド「One collection」は、新ブランド「HOUSE OF FINN JUHL」を立ち上げ、昨年4月の「ミラノサローネ国際家具見本市」でお披露目。フィン・ユールの世界観や哲学を追求し新たな命を吹き込まれた40種類以上のコレクションは、現代の私たちに鮮烈な印象を与え、あらためて類稀なるデザイン力に感服させられる。
 
この新ブランドの日本初となる専門ギャラリーが昨年12月、「IDC OTSUKA 有明本社ショールーム」内にオープンした。ギャラリーには、館内すべての家具がフィン・ユールのデザインで統一されたホテル「ハウス オブ フィンユール 白馬」で使用されている「ペリカンチェア」の特別モデルをはじめ、稀少な「ニューハウン」シリーズのテーブルやサイドボードなどを多数展示。水彩画で描かれたスケッチポスターも飾られ、フィン・ユールのデザインエッセンスが散りばめられている。さっそくギャラリーへ足を運び、“家具の彫刻家”が織りなす感性豊かな世界観にうっとり浸ってみてほしい。

 
右上より時計回りに/全館をフィン・ユールの家具で埋め尽くした、2016年12月にオープンしたプライベートホテル「ハウス オブ フィン・ユール白馬」。 フィン・ユールのDNAを受け継ぎ、家具職人が丹精込めて仕上げる。 天板が伸長する機能が付いた「ニューハウンダイニングテーブル」と椅子の各パーツが明確に分割され、視覚化されたユニークな「リーディングチェア」。 「ペリカンチェア」の翌年に作られた「ポエトソファ」も代表作。

 

information

「HOUSE OF FINN JUHL」GALLERY
IDC OTSUKA
有明本社ショールーム
TEL:03-5530-5555
http://www.idc-otsuka.jp/showroom/ariake/nn_juhl/