英国王立造幣局から選ばれた唯一の日本企業
Miura Japan
三浦製作所 代表 三浦 佑基

日本で唯一、英国王立造幣局とともに
本物の外国貨幣を創る山梨県の企業とは

三浦製作所の歴史

山梨県甲府地方は水晶加工が盛んな地域。創業者である三浦三省氏が水晶の原石加工業に携わったことで1952年に創業。先代社長である三浦明氏(現代表取締役会長)、現社長である三浦佑基氏へと70年間続いている。90年より海外へ進出、92年にはミウラ・ヨーロッパをイタリアに設立、続いて93年にロンドン支局を設立、イタリアンジュエリーの輸入加工販売からビジネスを広げ、英国王立造幣局(ロイヤル・ミント)と業務提携を果たし、クック諸島政府公認クック・アイランズ・コインを発行、販売に至る。また97年にはダイアナ妃追悼記念メダル英国王立造幣局と共同製造。2019年にはクック諸島の当時の副首相(現在は首相)が来社。そんなオリジナルの外国貨幣を発行可能な企業が山梨にある。

早くからイタリアへと海外進出 英国王立造幣局からクック諸島へ

「私の父である二代目の三浦明(現会長)は当初ファッション業界にいて、弊社の経営に参加するようになって大きく事業、およびサプライチェーンに変化が生じました。二代目はファッションの最先端の地であるイタリアンジュエリーに目を付けまして、現地の展示会に毎年足を運んでいました。元々は自社製造の製品を国内中心に販売していたのですが、海外のメーカーと取引を深めるにつれて、そのクオリティの高さに惚れ込み、国外の貴金属製品を輸入、販売をする方向に会社の主力事業を大きく舵を切ったのです」
「当初はこれまでの国内での事業での常識が全く通じない『カントリーギャップ』にかなり苦しめられました。このギャップを埋めるために毎年三度はイタリアに訪れ、まずヨーロッパの文化と商習慣を学ぶことから始め、時間をかけて『ジャパンクオリティ』や『日本の標準・基準』を理解してもらうことに努めました。イタリアの生地の輸入から始め、ジュエリーの輸入・販売・製作を始めました。そのため、現地に長く住んでいる日本人スタッフを採用し、通訳を含め56人から始めましたが、その人材にも大変に恵まれ、さらに日本の技術では難しいチェーンの中空加工技術から創り出される軽くて丈夫で優れたデザインが日本の市場にも受け入れられたことが大きかったです」
「水晶関係のジュエリーから、海外の製品に目を向けた時、見えてきたのが、それ自体に価値があり、金色に輝く貴金属『金』でした。これに人間の作り出す叡智、美しいデザインを加えることによって、さらなる大きな価値を生み出していくことができます。その金加工のジュエリーの世界でネックレスなどの事業が発展していきました。そんな中である時期から『キャットコイン』というものが世界的に人気になり、事業参入を模索した結果、英国王立造幣局、ロイヤルミントにつながります。ただ日本国内の小さな市場の中では限られたデザインのものではいずれ飽きられる、そこで自由な絵柄のデザインのコインを創る道を探し続けた結果、海外での貨幣の製造ビジネスに活路を見出したのです」
オリジナル貨幣の発行可能な多くの国に打診した中で、まず手を挙げてもらえたのがクック諸島であり、その製造には世界で最も歴史が古く、かつ製造技術が世界最高峰の英国王立造幣局(ロイヤルミント)が決まったのです。このクック諸島政府と英国王立造幣局と当社との関係はその後現在に至るまでの30年間、ずっと友好な協力関係が続いています。私たちが最初にテーマにしたのはWWFの活動に賛同し、動物の親子の愛をテーマに『マザーズ・ラブ・コイン』として毎年、動物を替えながら貨幣の製造を続けてきました。」

純金の記念貨幣を作る価値を多くの経営者に知って欲しい

「まず知っていただきたいのが、当社が創るコインは本物の貨幣であり、お金をデザインしているということです。当社が創ったのはクック諸島政府発行のニュージーランドドル、英国王立造幣局製造の正式なお金、通貨になります。私企業や個人が通貨のデザインをすることは不可能なことですが、当社は30年前から英国王立造幣局の製造部と直接取引をしている日本唯一の企業です。そしてその素材である『金』はご存じの通り、経年劣化も無く、希少性が高く、実に貨幣よりも安定している世界的な共通の価値を持つ特別な金属です」
「企業が当社によって999.9の純金のオリジナル貨幣を作るということは、その企業の社員の方々が積み上げてきた実績や歴史をそこに刻むことになります。それを持つ人々によって忘れられない思い出となり、世代をつないでくれるかけがえのない財産となります。10年、20年などの節目だけでなく、企業の大きな転換期に記念コインを作成することには大きな意味があると思うのです」

メダルではなく流通貨幣を作る企業が次に目指すもの

「国内のジュエリー市場が90年代の3兆円から3分の1の1兆円に縮小する現状で、世界のジュエリー市場は拡大傾向が続いています。特に日本以外のアジア諸国においては急速な人口増加と経済発展によって市場が大きく上昇しています。当社の強みであるイタリアンネックレスと貨幣事業はボーダーレスであり、今後も海外への展示会に率先して出展していきます。また当社は既存のジュエリー業界にとらわれることなく、この純金の貨幣の持つ価値や特別感、差別化を生み出した技術と実績を活かし、ファッションのみならず、これまで縁の無かった機械メーカー、自動車、医療、教育などにまでも広げていきたいと思います。志のある異業種とのコラボによって生まれた力を新たな『新山梨ブランド』として世界に発信していきたいと思っています。ぜひご協力いただければ幸いです」

三浦製作所のこれまで作ってきたコイン(貨幣)は正式に発行された本物の通貨であり、永遠の価値を持つものとして認められている。さらに純金である保証の付くこの製品は、換金が可能という財産価値を持っている。三浦製作所はその貨幣に枠を作ってジュエリーにするというビジネスを行っている。英国王立造幣局(ロイヤルミント)は1000年以上の歴史を持ち、日本の造幣技術もここを参考にしている。企業が三浦製作所に依頼することでこの貨幣を作れば、製作年号も入り、その歴史と価値を持つもの同士が共有することになる。なおクック諸島の財務省にも永遠に保存される。企業が周年記念などに作成するものにこれほどの価値を保ち続けるものは他に考えられない。企業ブランド・イメージを高めるためのオリジナルコイン(貨幣)を作ってみてはいかがだろうか。


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(1)93年ロンドン支局設立後まもなく、英国王立造幣局(ロイヤルミント)との業務提携に成功。(2)2019年には通常ではありえない、クック諸島の当時の副首相(現在は首相)が山梨県の一企業に来社することへとつながった。(写真左から三浦明会長、副首相、三浦佑基社長、副首相夫人)


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(1)三浦製作所が英国王立造幣局とともに創ってきた数々の本物の貨幣。これまで三浦製作所が発行してきた貨幣の中には、エリザベス女王やダイアナ妃など英国の重要な歴史に関わる、メモリアルでかつ価値の高い貨幣も含まれる。(2)CGを駆使して原型のデータを作成する様子。(3)三浦製作所の創る貨幣は純度999.9の純金製。だからこそ永遠の価値を持っている。(4)三浦製作所はWWFの活動に賛同、動物の親子の愛をテーマに『マザーズ・ラブ・コイン』として毎年、動物を替えながら貨幣の製造を続けている。(5)イタリア、英国と伝統的にジュエリーおよび貨幣発行技術の本場であるヨーロッパに早くから進出したことが今の成功に繋がった。(6)軽さと強さが求められる繊細な中空加工技術が、三浦製作所のネックレスなどのジュエリー製作に発揮されている。(7)貨幣には発行年度とともに英国王立造幣局のホールマークが刻印され、英国王立造幣局の製造品質保証書が付いている。(写真は2010年に発行された株式会社サザビーリーグ エーアンドエスカンパニー アガット20周年記念4ドル金貨)

Profile

株式会社三浦製作所 代表
三浦 佑基 (みうら ゆうき)

1983年山梨県甲府市生まれ。大学卒業後イギリスでの短期就学を経て2007年に三浦製作所に入社。入社当初海外事業部にて製品の買い付けや販売を行う。また積極的に国内外の宝飾展示会への出展を始める。その後2017年に代表取締役社長に就任。現在新たな貨幣(コイン)事業を展開中。

Information

Miura Japan Co.,Ltd.
株式会社 三浦製作所

山梨県甲府市城東1-16-12
TEL 055-237-2111
info@miurajapan.co.jp
https://miurajapan.biz/

構成・プロデュース:YsCompany 吉田伸一