オンリーワンの住宅 ~注文住宅特集~

家造りはある意味でその人の人生の集大成。
それまで生きてきた施主の様々な思い、生き方が込められています。
そこにはきっと、これから家造りに取り組む人への多くのヒントがあるでしょう。

水と緑と光に彩られた都会のオアシスを実現

デスクワークの仕事が多く、なかなか出かけることの出来ないオーナーは、自宅をあたかも海外のハイブランドホテルのように作り上げた。
落ち着いた都内の住宅街の街並みから玄関を一歩くぐれば、そこは全くの異空間。外界の視線を一切気にする必要のない、内側に開けた大空間が広がっている。内庭の壁に伝わる水と緑、建物全体にくまなく広がる光が至上の安らぎを与えてくれる。

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建物の中心にある中庭は水と緑と光に溢れた空間の主役。

エントランスからまっすぐに進むと2層吹き抜けのLDKが広がっている。

オーナーは仕事で疲れるとプールですぐに泳ぎたくなるという。
トップライトの光と波打つ壁面がやすらぎの空間に。


建物内の広大な空間はまるでリゾートホテルのよう

瀟洒な趣の門をくぐり、建物の内側に歩を進めると、すぐに広大な中庭に目を奪われる。外界を遮断する高い壁を滴り落ちる水と緑、三方の住空間を隔てているのは巨大なガラス面のみ。建物内、どこにいても中庭から注ぐ光が存分に降り注いでいる心地よい空間だ。リビングの向こうにはプールやトレーニングルームもあり、ここが都内の住宅街とはとても思えない。真夏のような厳しい陽射しの差すその日、中庭に入ると建物の上を通る心地よい風が入り込んでいた。「仕事柄、なかなか時間をとることが難しく、たまにリゾートにパソコンを持って行って仕事をすることもあるんですが、だったら自分の家をそんな環境にしてしまえばいいと。ここなら家の中に入った途端に外界の刺激を受けずに仕事が出来ますから」「実際に中庭の椅子に座ってパソコンを開くときもあるし、リビングで書いていることもあります」「建築家の方にお願いしたのは、どこから見ても気持ち良い空間にしてください、ということ。どこにいても家の中全体が見渡せて、清々しい解放感というものが欲しかったんですね。結果的にこのような全体に光が回るようなデザインになりました」

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建物内はどこにいても中庭からの光が存分に注ぎ込む巨大な一体化した空間。このリビングで執筆をすることも。

気分転換で、プール脇でノートパソコンを開くときもあるという。

地下に通じる階段の壁面は水中写真を挟んだ青いガラスの壁、夜は水面の揺らぎをライトで演出する。


海をテーマにしたパーティールームには多くの人が集う

「前の家もプールがあったんですが、やはり仕事で疲れると泳ぎたくなるんですね。ランニングマシンを使ったりして、毎日少しずつトレーニングをすることで健康を維持できていると思います」「あとはホームパーティーをよくやるので、パーティールームにはこだわりましたね。地下にあるのですが、最大で70〜80人も来るときがあります。その人数を収容しないといけない。日常との切り替えも必要。それで地下にパーティールームを作りました」地下のパーティールームに続く階段を降りるとまるで海の中に入っていくような青い光の演出が施されている。さらに中庭の水盤から、トップライトを伝わって入り込む光がカウンターへと水のゆらぎを結び付けている。そこはアルフォンス・ミュシャの絵画が映える神秘的な空間だ。多くの人の心を惹きつける作品を作り続けるオーナーのお宅は、やはり特別なしつらえのある個性的な住宅だった。

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オリーブの木やブルーにライトアップされたトップライトが光り「光の庭」をつくる。

映画館で使用されるIMAXを導入したシアタールームは迫力の3D映像。美しさと臨場感のある家族専用の映画館。

地下にある巨大なパーティールームは青い光の演出で、まるで海
の中に潜ったような気持ちになる。


建築家 尾高光一氏より
住居・アトリエ・プールの3つのゾーンを中庭で結び、水と緑と光に溢れた、自然のあるアーバンリゾートを演出しました。中庭をガラスで囲むことによってどこからでも空が見えるようにして、家全体を一つの大空間にしています。さらにそれぞれの空間の奥に緑を配置して、点と点がつながり、より立体的な広がりを感じられるようにしています。十分な広さを持つ敷地をより広く、効率的に使った建物になりました。


自然素材に囲まれた海の見える別荘

作家、脚本家、映画・書籍のプロデュースとマルチな活躍をされている河原れんさん。都内のご自宅はコンクリートとガラスに囲まれたソリッドな建物。そこで別荘を造るなら自然素材を中心とした建物にしたいと思っていたそう。この地を選んだのは自然が豊かでありながら都会との行き来が楽だということ。窓辺から見える海と富士山が心と身体を存分に癒してくれるそうだ。

自然素材に囲まれた海の見える別荘自然素材に囲まれた海の見える別荘自然素材に囲まれた海の見える別荘現

真っ白なアプローチ、こだわった石の壁、壁の厚みを感じさせる立体的な窓枠が異国のリゾートを感じさせる。

キッチンのトップライトから湘南の陽光が存分に降り注ぐ明るいオープンキッチン。河原さんのお気に入りの場所。

洞窟をイメージして造ったアールを多用したリビング。小上がりの下には愛犬の部屋も作ったのだが当人はあまり入ってくれないとか。


癒しをテーマにしてリラックスできる空間に

「忙しい都会の生活を続けている中、スイッチを切り替える場所が欲しくて、探していたところ、10件目くらいで海の見える理想的な土地が見つかりました。実は私たち夫婦はそんなに社交的ではなく、パーティーなども苦手で、アクティビティもしないインドアな人間なんですね。親しい友人と家族だけを呼べる、そんな家にしたかったんです。だから客室なども作っていません。自分たちがリラックスできるようにアールの壁を作って、漆喰で覆い、柔らかいイメージのインテリアにもこだわりました。私は土と石が大好きで、自然素材に囲まれたこの家にいると、本当に背骨が抜けるほどリラックスできます。西日が部屋に差し込む頃、ソファに座っていた家族が床で雑魚寝している姿を見ると幸せを感じますね」DIYもこなすという彼女、今はこの家に週末行き、色々と手を加えるのも大きな楽しみだと語っていた。

自然素材に囲まれた海の見える別荘自然素材に囲まれた海の見える別荘自然素材に囲まれた海の見える別荘現

テラスからは富士山が見え、夕陽も堪能できる絶好のポイント。

差し色となるブルーのタイルが海辺の別荘に相応しい雰囲気を作っている。

ウオークインクローゼットの家具にもこだわっている。


河原れん
1980年生まれ、東京都出身。上智大学法学部卒業。無類の旅好きで、16歳で米国留学、18歳の時にバックパッカーで世界を旅する。以来、旅の魅力に取りつかれ、めぐった国は23カ国に及ぶ。2007年小説家デビュー。初の長編小説「瞬」は2010年に映画化、11年に発表した医療ミステリ「聖なる怪物たち」はドラマ化された。最新作は『女優堕ち』(2016年株式会社KADOKAWA 角川書店刊)。
河原れん オフィシャルサイト http://www.len-kawahara.jp