Monaco ~永遠の輝き

世界中の富豪やソーシャライツたちが第二のライフステージの拠点とするモナコ。
紺碧の海と輝く太陽の美しさもさることながら、そこに集う人々のオーラによってつねに宝石のような輝きを放ち続ける。
グラマラスな日々の情景とモナコをこよなく愛するセレブリティの言葉を通して、
このかけがえのないミクロコスモス― 小宇宙― の魅力にせまる。

両シチリア王国ブルボン家 カストロ公爵夫人カミッラ妃殿下
世界中の人々に希望と喜びを与える美しき王妃

19世紀、南イタリア一帯を統治した両シチリア王国。ナポリ=シチリア・ブルボン朝の正統派の血筋を受け継ぐ両シチリア王国 カストロ公爵・カルロ殿下に嫁がれ、現在モナコに居を構えるカミッラ王妃にモナコの魅力について伺った。

王妃として

カストロ公爵夫人カミッラ妃殿下

両シチリア王国カルロ殿下・カミッラ王妃。グレース王妃とレーニエ大公の挙式も行われたモナコの大聖堂で1998年、アルベール二世公とベルギーのロラン王子の証人のもとに挙式。

両シチリア王国ブルボン=シチリア家の現当主で王位請求者のカストロ公爵カルロ殿下に嫁がれたカミッラ王妃。そのカリスマ的な存在感にすぐさま魅了されてしまった。
ローマ生まれの王妃は青年期をニューヨークで過ごされ、1992年に幼少期から足繁く訪れていたモナコに一家で移り住む。そこで待っていたのが未来の夫君となるカルロ殿下との運命的な出会いだ。モナコ公室のアルベール二世公がお二人の出会いに際して、キューピッド役を買って出られたというのも微笑ましい。
人道的支援と文化・芸術の保護を使命とする両シチリア王国。カミッラ王妃の公務の活動範囲はヨーロッパ全土以外にも南米、東南アジア諸国にまで及んでいる。王室によって設立された聖ジョージ・コンスタンチン騎士団憲章に基づく王室の社会的・宗教的活動の理念は、特に近年、社会において最も弱い立場におかれた人々への医療活動の充実や食糧支援など、”隣人の救済者”としての役割が第一義に考えられているという。しかし、進取の気性に富んだカミッラ王妃はモナコの未来の姿を描きつつ、こう続けられた。
「私はNYの大学のビジネススクールで学んだことからも、王妃としての公務に加えて世界中で積極的にビジネスに参画しています。本来、専門分野は国防や国土安全保障、そして宇宙開発といった産業分野におけるシステム・インテグレーション・ビジネスの投資に関わる活動ですが、モナコに居を構えてからは、アルベール二世公との交流を通して、大公自らが推進している”両極圏における生物多様性保全”と”バイオ医療”という二つの研究領域の融合により広がるサステナブル・ディベロップメントの可能性に大きな関心を寄せています。二つの分野の画期的な出会いを後押ししてくれる良きパートナーをぜひ自らも発掘できたらと考えています」

モナコの魅力

「モナコに暮らしていて素晴らしいと感じるのは、どの分野においても一流といわれる物事や人々に日々接することができるということです。世界一安全で豊かな暮らしがあるというだけではなく、世界の金融センターとしての高度な能力、そして一流の人材を輩出する開かれた教育・文化機関の充実と、何かを実現しようとしたら必ずあなたの目指すゴールへと導いてくれる最良の環境が整っているのがモナコという国なのです。世界に例を見ない豊かさが凝縮された小宇宙は、その恵まれた環境から生みだされる富やパワーを世界の発展のために常に循環させています。モナコに多くのチャリティ団体や財団が存在しているのも、その様な目に見えない成熟した社会システムや価値観が確立されているからなのです」
女優のような美しさとカリスマ性、そしてあふれる知性。王妃として妻として、そして母として文字通りの輝きに満ちたカミッラ王妃の包み込むような優しいほほ笑み。出会う一人ひとりに惜しみない愛情を注ぐ慈愛に満ちたお姿は、モナコを基点にこれからも世界中の人々に希望と喜びを与え続けるに違いない。

カストロ公爵夫人カミッラ妃殿下
カストロ公爵夫人カミッラ妃殿下
カストロ公爵夫人カミッラ妃殿下

上左/高校時代、日本語を毎日勉強していたという王妃は日本文化についても造詣が深い(空手も有段者の実力!)。モナコの日本庭園をこよなく愛する王妃のリクエストにより同庭園の太鼓橋で撮影が行われた。マリア・カロリーナ王女(右)、マリア・キアーラ王女(左)とともに。
下左/モナコで最も好きな場所はヨット・クラブ、という王妃の海への情熱はつきない。世界の子供たちに環境意識を育てる”PASSION SEAプロジェクト”(アルベール二世財団がパトロンを務める)にも二人の王女とともに熱心に取り組んでいる。

両シチリア王国ブルボン家 カストロ公爵夫人カミッラ妃殿下
1971年ローマ生まれ。NYのメアリーマウント高校、NY大学ビジネススクール卒業。現在はモナコを中心にローマ、パリに居を構える。伊・仏・西・英語を完璧に話し、日本語も理解するという卓越した知性を持つ。1998年、両シチリア王国ブルボン家の現当主で王位請求者のカストロ公爵カルロ殿下と結婚。ユニセフや国際赤十字社を含む各チャリティ団体とともに人道支援や文化・芸術・スポーツ振興活動に積極的に取り組まれている。
二人の王女の母でもある。
http://www.realcasadiborbone.it/

ルチアーナ・ド・モンティニー女史
祖国ブラジルとモナコを結ぶ社交界の華

モナコ公国の建国記念日を祝してモンテカルロの各所で前夜祭が開催された夜、いっそう華やぎに満ちた
オテル・エルミタージュで在モナコブラジル名誉総領事夫人のルチアーナ・ド・モンティニー女史に話を伺った。

ブラジルとモナコの絆

ルチアーナ・ド・モンティニー女史

ルチアーナ・ド・モンティニー女史

在モナコブラジル名誉総領事夫人のルチアーナ・ド・モンティニー女史。自らも「ブラジル・モナコプロジェクト」という両国の文化、経済・産業、学術、スポーツなどの分野において交流を促進する団体の創設者・会長を務める。その美しい容姿も相まって、カミッラ王妃とともにモナコ社交界の華と目される女性だ。そして女史もまた、日夜エネルギーに満ちあふれるこのモンテカルロという都市を舞台に、ユニバーサルな社会貢献活動を積極的に展開している。
「私どもの活動にアルベール二世公が多大なる理解を示してくださり、あらゆる面で惜しみなくサポートをしてくださっているのは大変光栄なことです。私個人としては、近年特にモナコとブラジルが価値観をともにする環境・科学・医療分野における交流に力を入れています。子宮頸がん撲滅に関しては、モナコの取り組みをモデルケースとするブラジルに両国の交流の機会をより多く創出できるよう心血を注いでいます」 アルベール二世公自らが財団を設立し、自然環境や生物多様性の保全の啓蒙に注力しているモナコと、アマゾンというかけがえのない熱帯雨林や大河川を有するブラジル。二国が持つ共通の価値観が互いの絆をさらに強めているのだろう。しかし、近年のより親密な交流関係は、彼女自身の類まれな国際感覚と意志の力によるものと言っても過言ではない。

モナコらしい文化・経済交流のかたち

アイルトン・セナやフェリペ・マッサを輩出したモータースポーツ王国、そしてサッカー王国でもあるブラジルは、モナコのもう一つの国家戦略であるスポーツ振興においても稀有な存在感を放っている。ブラジルから、そして世界からあらゆる分野の傑出した才能をモナコに招き、モナコの魅力を世界に発信するために人の動きを促進すること。それもまたルチアーナ女史とご主人のアンドレ氏の大きな使命だ。こうしてモナコという夢の国から世界中に希望と感動を与え、よりダイナミックなトレンドを生みだしてゆく。こんな文化・経済交流の形もモナコらしさに満ちあふれている。
「フランスとイタリアに一時間程で行ける地理的な魅力、質の高い生活環境、そして国際的な金融ハブとしての機能の充実、と三拍子そろったモナコは華麗な舞踏会やカジノ、そして伊仏に勝るとも劣らない質のオペラ・バレエの上演、世界のグルメを惹きつけてやまない食の楽しみなど、ソフトの魅力にも事欠きません。しかし、残念なことに真のモナコの魅力というのはまだ充分に理解されていないのも事実なのです。移住もそれほど難しくはありませんし、より自由で万人に開かれたユートピアであることをこれからも世界の人々に積極的に発信していきたいと思っています」
ルチアーナ女史から発せられる一つひとつの言葉には確固たる自信が満ちあふれていた。

ルチアーナ・ド・モンティニー女史ルチアーナ・ド・モンティニー女史

第二回ガラ・ナイト(2014)にて。モナコのF1グランプリ開催一週間前に行われ、故アイルトン・セナ氏への敬意が表されたという。故セナ氏の実姉でアイルトン・セナ財団代表のヴィヴィアン・セナ女史(中央)、アルベール二世公(右)とともに。

左より、ご主人アンドレ・ド・モンティニー氏、フェリペ・マッサ夫人、フェリペ・マッサ氏、アルベール二世公、ルチアーナ女史、ロナウド氏(ブラジル・サッカーナショナルチーム元代表)。「ブラジル・モナコプロジェクト」第一回ガラナイト(2013)での一枚。

ルチアーナ・ド・モンティニー女史
1リオ・デ・ジャネイロで高等教育課程を終えた後、プライベートにアート、哲学、社会学などを学ぶ。
見識を広げるために訪れた国は70カ国以上にものぼる。2000 年よりモナコに居を構え、非営利団体の活動に専念。特にモナコとブラジル、南米諸国の国際交流促進に力を注いでいる。
2012年には「ブラジル・モナコプロジェクト」を設立し、アルベール二世公支援の下、文化・科学・スポーツ、医療・環境分野等での二国間の交流・振興に取り組んでいる。
http://www.brasilmonacoproject.com/

モナコ公室が育んだオーケストラ モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団

モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団

モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団。モンテカルロ歌劇場のオペラ伴奏から国家行事での演奏、海外公演・定期演奏
会と八面六臂の活動を展開する。

公室のオーケストラ

モナコのバレエ・オペラ・音楽の公演水準は高い。それは、決して社交としての需要の高さだけを意味するのではない。実際、極めて意欲的でセンセーショナルな公演が毎夜どこかで繰り広げられている。
その発展は何よりも公室の多大なる支援によるものと言っても過言ではない。公室の意志が直接反映されるモナコだからなのだろうか、あるいは故グレース公妃のようなプリンセスが存在した国だからなのだろうか、現代において、公室の芸術庇護― 理想のパトロナージュ― という形が真に実現している唯一の国のように思える。
1856年に誕生したモンテカルロ・フィルハーモニー。公室の庇護の下、つねに世界中から著名な指揮者や演奏家たちを招き、名実ともに世界のトップオーケストラの仲間入りをしている。歴代の常任指揮者、音楽監督の名を一瞥しただけでも、NYのカーネギーホールやパリのオペラ座と変わらない、いやそれ以上の錚々たる顔ぶれに、モナコという国の底力を感じることができる。

オペラ『トスカ』オペラ『トスカ』オペラ『トスカ』

モナコの祝祭を彩る音の魔術師たち ~ 建国記念日を祝したオペラ『トスカ』から~

日本人の音楽監督就任

2008年に初来日を果たし、気鋭の日本人指揮者、西本智実氏とともに全国に旋風を巻き起こしたことも記憶に新しい。
モナコの地理的位置が示すように伊仏の気質をあわせ持つかのようなほとばしる情熱と歌心に満ちたオーケストラ。世界四大陸から多彩な国籍のメンバーが集い、オペラの伴奏から宗教曲までどのようなレパートリーでも、ふさわしいスタイルと音色で変幻自在に奏でてしまう精鋭集団だ。
嬉しいことに、記念すべき創立モナコ公室が育んだオーケストラモンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団モナコの祝祭を彩る音の魔術師たち160年の今シーズンから”若き巨匠”と目されている日本人の若手指揮者、山田和樹氏が芸術監督兼音楽監督として就任することが発表されている。世界各国から集まった俊英たちも、山田氏との新たな関係を皮切りにさらに一歩踏み込んだものに挑戦していきたいと、大変な意欲を見せている。
山田和樹&モンテカルロ・フィルの絶妙なカップリング。これからさらに日本とモンテカルロ・フィルとの距離が近くなること間違いなしだ。

モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団 日本公演2016モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団 日本公演2016

写真左/ 指揮・西本智実 ©大木大輔
写真右/コンサート・マスターのダビッド・ルフェーブル氏。来日公演について抱負を語ってくれた。大の日本通で、日本の聴衆の温かい声援と熱意には毎回感動させられるという。

モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団 日本公演2016
西本智実指揮 モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団
5月18日(水)19:00開演 東京オペラシティコンサートホール
ビゼー:カルメン組曲第1番、第2番
チャイコフスキー:交響曲第5番ほか

フジコ・ヘミング&モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団
5月17日(火)19: 00開演 サントリーホール


お問い合わせ:コンサート・ドアーズ
TEL:03-3544-4577
http://www.concertdoors.com/

L’art de Vivre  ラグジュアリーなソーシャルライフの舞台へ

モナコの歴史はラグジュアリーホテルとともに歩んだと言っても過言ではない。
数々の歴史の舞台となった伝説のホテルは、今なおモナコの人々の日々の集いの場であり、日夜繰り広げられる華やかな社交の場であり続けている。
モナコのセレブリティたちが日常、足繁く通うソーシャルな空間をご紹介しよう。

Hôtel Hermitage Monte-Carlo(オテル・エルミタージュ・モンテカルロ)

オテル・エルミタージュ・モンテカルロ

プレジデンシャル・ダイヤモンド・スイート。温かみのあるネオクラシックな空間。華麗なリビエラの景観に呼応するかのような格調高さを醸しだしている。

世界中の海の男たちが憧れるモナコのヨットハーバー。停泊する船体の真っ白な輝きが眩しいばかりに、この伝説的なホテルを輝かせる。「テルム・マラン・モンテカルロ」やカジノ、そしてグランブルーに輝くモナコのリビエラを見下ろす最高のロケーションにたたずむ「オテル・エルミタージュ・モンテカルロ」。20世紀初頭、ベル・エポックの香り漂う美しき時代に誕生した「オテル・エルミタージュ・モンテカルロ」は、二世紀にわたって世界中の賓客を迎えてきた。
ホテルの中に一歩足を踏み入れると、外観の堂々たる姿からは想像もできない程、女性的で典雅な世界が広がる。このホテルのすごいところは、つねに時代に即した形で手を加え、むしろ現代性をもたらすことによって過去の記憶を完璧な形で今の時代によみがえらせていることだ。こうして唯一無二の歴史遺産は、普遍的な輝きを保ち続けているのだ。
まるでトリアノン宮殿のような館内の客室棟は5つのウィングにわかれている。エレガントな回廊にたたずむ278の客室は、ネオクラシック、ベル・エポック、そしてコンテンポラリーなエッセンスを散りばめたクラシックスタイルと、それぞれに違う様式でコーディネートされており、ユニークで個性あふれるオーダーメードの居心地の良さを湛えている。このホテルを第二の我が家としてこよなく愛する顧客が多いというのもうなずける。

オテル・エルミタージュ・モンテカルロオテル・エルミタージュ・モンテカルロ

シックな色調の客室。女性的な洗練と優雅さに満ちた空間にたたずむと、自ずとベルサイユ宮殿に暮らしたマリー・アントワネットのような気分にさせてくれる。

ダイヤモンド・スイートからハーバーを望む。これぞエルミタージュの醍醐味だ。

~Le Vistamar ~ Hôtel Hermitage Monte-Carlo(ル・ヴィスタマール)

ミシュランの一つ星に輝く「オテル・エルミタージュ・モンテカルロ」のメインダイニング「Le Vistamar」では、季節の香りを告げる地元の食材をふんだんに活かした地中海料理の真髄が味わえる。
21年にわたってこのホテルの味を見届けてきたモナコ料理界の重鎮、ジョエル・ギャロー氏の生みだす皿は食材を最大4点までに留め、全体の調和を大切にすることでそれぞれの素材の味わいと個性をより一層巧みに引きだす。どの皿も地中海の恵みがシンプルに丁寧に活かされており、南仏の季節感が描きだされたかのようなみずみずしい美しさに思わず笑みがこぼれる。正統派のフランス料理の伝統とスタイルを決して崩すことのない重鎮の心意気あふれる皿の数々には感服するばかりだ。
「外国人のゲストも多いので私のアイデンティティが直球で伝わるような料理を心がけています。でも、季節の食材が入るといろいろ試してみたくなるので、常連のお客さんたちには『僕たちは、まるでシェフのいたずらの共犯者だね』とよく言われるのです」
「料理は情熱がすべて」と一言で語るギャロー氏。その溢れんばかりの情熱は60歳を超えた今でも衰えるどころか、さらに増しているそうだ。
「世の中が暗いことばかりだから、料理で人々を喜ばせたい」
シェフの料理を一言で語るならば、―― 人間味あふれる人柄と大らかで優しい心がそのままに詰まったシェフの姿そのもの―― と表現するのが正しいのかもしれない。

Le VistamarLe VistamarLe Vistamar

メインダイニング「Le Vistamar」。ピエール・ロションによる洗練されたコンテンポラリーな内装が高揚感をさらに高めてくれる。

“コンテンポラリー風タルトタタン”。南仏の恵みと季節感を感じさせてくれる一皿。

ヒメジのフィレ。セイヨウゴボウ、ロマネスク・キャベツとともに。

Hôtel Hermitage Monte-Carlo
Square Beaumarchais MC, Principality of Monaco
TEL. +377-9806-4000
http://jp.hotelhermitagemontecarlo.com/


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SBM日本オフィス TEL. 03-5615-8067