Rally Nippon 2013 in Y154 Report

クラシックカーがつなぐ”日本の宝””人の心” RALLY NIPPON 2013 in Y154 開催リポート

日本が誇る世界遺産や文化遺産、そして自然、また地域が守り育てた文化というこの国の宝を、人類の技術遺産ともいえるクラッシックカーでつなぐ「ラリーニッポン」が今夏も開催された。
横浜港開港154年を祝うフェスティバル「Y154」の開催に合わせて行われたラリーにはファンだけでなく、多くの見物客がエキサイトしながらクラシックカーの行き来を見守った。

2009年に誕生し、今年で第5 回を迎えた「ラリーニッポン」は、日本の名所や世界遺産、自然遺産などをチェックポイントに日本を駆け抜けるクラシックカーラリー。数ある中で唯一観光庁の支援を受けるラリーである。
競技を楽しみながら「日本の世界遺産や文化遺産を巡る旅」というコンセプトを掲げ、日本の素晴らしさの再発見とその発信を目指している。
今回は、横浜市の開港154周年を記念するイベント「Y154」に連動して5月25・26日の2日間にわたって行われた。
両日ともに好天に恵まれ、東京から横浜にかけての風光明媚な風景や美しい湾岸を眺めながら、最高のコンディションの中でのラリーとなった。

歴史と未来を駆け抜ける ― DAY1

歴史と未来を駆け抜ける ― DAY1
多くのファンが見守る中、靖国神社のスタートゲートを出発するエントラント。オープンカーで走るには最適な天候となった。

すがすがしい五月晴れとなった空の下、東京・靖国神社に、80台のクラシックカーがずらりと並んだ。滅多に見られない光景に、多くの観光客も興味津々だ。これまで何度もラリーニッポンの舞台となったゆかりのあるこの場所が、今回のスタート地点だ。エントラントは、これから横浜を経由して、翌日には三浦半島を1周。そして横浜へと帰還する道のり約300 kmを走行する。通常では4日間をかけての走行であるが、特別ショートコースとして設定されたメニューだ。
ファンや一般客、報道陣の見守る中、エントラントの乗り込んだクラシックカーが、ゲートで宮司のお払いを受けて次々と公道へと走り出していく。
第一日目は、靖国神社を出て、同神社をはじめとする歴史的建造物歴史と未来を駆け抜ける―DAY1や数々の名所をめぐりながら、お台場エリアを経由。近年急速に進む開発で、まるで未来都市のような風景が広がる湾岸をドライブした後、横浜のシンボル、横浜みなとみらいへと舞台を移していく。
東京と横浜、歴史と未来。この2 つの都市が織りなすタイムスリップのようなドライブコースが初日のステージとなった。
同夜、横浜を代表する老舗ホテル、ホテルニューグランドでは参加者を歓迎する豪華ディナーの席が設けられ、それぞれ参加者はほどよい疲労感を癒すくつろぎのひと時を過ごし、翌日に備えた。

歴史と未来を駆け抜ける ― DAY1歴史と未来を駆け抜ける ― DAY1

高架から都心を眺めるお台場。近未来的な風景の中を走るクラシックカー。

横浜市鶴見区に位置する、禅宗を代表する大本山総持寺。こうした日本の歴史・伝統を象徴する名所の本質や良さを再発見するのもラリーニッポンの意義。

三浦半島の自然と、異国情緒の風に包まれて ― DAY2

三浦半島の自然と、異国情緒の風に包まれて ― DAY2
葉山エリアでは美しい湾岸が高台から望める。

都市部を疾走する初日と大きく変わって、2日目は、海と緑に包まれた三浦半島の大自然が舞台となる。
横浜をスタートして向かうのは、日本屈指の保養地、葉山。天城山脈など伊豆半島の山々から遠く富士山まで望める、屈指の景勝地である。葉山を越えていくと、一気に風景は表情を変える。起伏に富んだ三浦半島の地形を覆う新緑が、エントラントを歓迎する。さらに駆け抜け、穏やかな相模湾をゆっくりと、そして軽やかにドライブ。観音崎を過ぎて、後は横浜へ向かうロングハイウェイ。ゴールは間もなくだ。
山下埠頭の広場では、露店が並び、設けられた野外ステージでさまざまなショーが行われるなど、Y154に湧いていた。その会場に、三浦半島を回り終えたクラシックカーたちが再び姿を見せると、いよいよ今回のラリーもフィナーレ。次々とゴールするエントラントたちの表情にも安堵が浮かぶ。
表彰式は、客船マリーンルージュの船上で行われた。2 日間のラリーを制したエントラントに称賛の拍手と賞品が贈られる。

三浦半島の自然と、異国情緒の風に包まれて ― DAY2三浦半島の自然と、異国情緒の風に包まれて ― DAY2

マリーンルージュ船上にて行われた表彰式にて、上位者入賞者。

ゴールの山下埠頭。5月らしい爽やかな風が吹く。

RALLY NIPPON 2013 in 台湾

2013年は、もう1つのラリーニッポンが行われる。初の海外開催となる「ラリーニッポン2013 in 台湾」は、「謝謝台湾!」と銘打ち、台湾一周のサンクス・ラリーを開催する。
東日本大震災に対していち早く、そして多額の義捐金を送ってくれた隣国・台湾に対してお礼の意を表すると同時に、両国のより深い絆と末永い友好に結びつけていくことをめざしたものだ。
日台交流史に、新たな1ページを刻むイベントとなるだろう。

■開催日程
2013年11月28日(木)~ 12月1日(日)計4日間+11/27(水)前夜祭
■コース
台北:総督府前(スタート)~ 台北:自由広場(ゴール)
※台湾一周(台北 ~ 台中 ~ 台南 ~ 高雄 ~ 台東~ 花蓮 ~ 宜蘭 ~ 台北)
http://rallynippon.org/jp/