PAVONE PRESENT
PAVONE SELECTION
新着記事 カテゴリー 新着記事

PATEK PHILIPPE(パテック フィリップ)

究極至高の時計を作り続ける パテック フィリップの揺るぎなき哲学

ヴィクトリア女王に献上されたポケットウォッチ
ヴィクトリア女王に献上されたポケットウォッチ

世界的な経済不況の昨今にあっても、高級時計〈パテック フィリップ〉は売れ続けている。これは物の価値を深く知る富裕層たちが、パテック フィリップの真価を理解しているためである。なぜいまパテック フィリップなのか?その理由について、歴史、揺るぐことのない同社の社是などを振り返ることで検証してみたい。

 1839年、ポーランドの亡命貴族であるアントワーヌ・ノルベール・ド・パテック伯爵と、時計師のフランソワ・チャペックが〈パテック チャペック社〉を設立した。これが現在も続く高級時計メーカーの名門〈パテック フィリップ〉の前身となる。
かつてクロックやポケットウォッチといえば、鍵を用いてゼンマイを巻いたものだったが、フランスの時計師ジャン―アドリアン・フィリップ氏により、1842年、リュウズによる巻き上げ機構が開発された。「最高品質の価値ある時計作り」を企業理念とし、現在もなお、こうしたフィロソフィを失うことなく、同時に革新性を追求してきたパテック社では、フィリップ氏を招き入れることに。このようにして1851年〈パテックフィリップ〉がスタートする。以来、美術工芸品の一流オークションで、時計の世界最高落札価格を記録する数々のコンプリケーション(複雑時計)の開発も行い、ヴィクトリア女王やチャイコフスキーら、歴史に名を残す王侯貴族や著名人ら数多くが顧客台帳に名を連ねる。
なお同社の社標である剣と十字を組み合わせた〈カラトラバ十字〉の登録もなされた。そして1932年には、ラウンドケースのドレスウォッチ、「カラトラバ」 を発表。
近年では2006年、完全自社開発・製作のクロノグラフ(ストップウォッチ+積算計付き)・ムーブメントを搭載した5960Pを発表し、全世界の時計愛好家やコレクターたちの注目を一身に集めた。
こうした華々しい史実に加えて「パテック フィリップに競合時計ブランドはない」と賞賛される理由がほかにもある。それは創業以来、約170年にわたり一度として社歴が途切れていないこと。現在もスターン一族によるファミリー経営を行っているのである。古い設計図や工具、パーツ類も豊富に揃えており、「たとえ1世紀前に当社が製造した時計でも、メンテナンスを受け付ける」と公言している。ミュージアムピース級の古く稀少なモデルについても認定書を発行するアーカイブ・サービスを実施している。こうした姿勢こそが、高級時計のマニュファクチュール(自社一貫生産)の真の姿であろう。
またスイスの時計の公的認証に、最高品質であることを示す「ジュネーブ・シール」があるが、パテック フィリップだけは、製造する全ての機械式ムーブメントに特例として、この認証が無条件で付与されてきた。
しかし伝統を守り革新を続けるパテック フィリップは、こうした栄誉に満足することはなかった。2009年春より、このジュネーブ・シールに替えて、より厳格な自社規準となる品質ラベル「パテックフィリップ・シール」をスタートさせたのだ。
こうしたことに加えて、パテック フィリップが生み出してきた時計の総数は、スイス時計産業全体による生産総数の1%未満とされる。「高級時計の名門」として全世界的な知名度を誇りながらも、現在の年あたりの生産個数は約4万個(!)。1モデル当たりの生産個数は1個ないしは数百止まりとなる。このような要因や、ユーザーには見ることができないネジや歯車の裏側といったディテールまで磨き抜く高品質さにより、所有者の満足度は極限まで高まるのだ。
以上に述べてきたような付加価値のみならず、パテック フィリップはデザイン面においても高級時計界のトレンドセッターである。ラウンド(丸型)、レクタンギュラー(角型)、トノウ(樽型)のほかバリエーション豊富なケース形状へのアプローチも早かった。
深い満足度を末永く得ることができるリストウォッチをお探しの方には、〈パテック フィリップ〉という選択肢を提案したい。機能性、デザインなど、きっとあなた好みのアイテムを見つけ出せるはずだ。

文・松田 朗

パテック フィリップ カラトラバ・オフィサー 5153モデル
精緻なムーブメントが堪能できるシースルー仕様、サファイヤクリスタル・バック。これを保護するヒンジ付きカバーを備える18KYG(イエローゴールド)オフィサー・ケースが特徴。ケース径38㎜。Cal.324 SC(単方向巻き上げ式21金中央ローター)。自動巻。279万3,000円。

パテック フィリップ 年次カレンダー搭載自動巻クロノグラフ 5960モデル
自社開発・製造のクロノグラフ5960モデル。そのRG(ローズゴールド)ケースのニューバージョンが登場。パテック フィリップが特許を取得した、月の大・小を自動的に判別して表示する年次カレンダー搭載。搭載されるCal.CH 28-520 IRM QA 24Hは、特殊なクラッチディスクにより、4 番車の回転をクロノグラフ秒針車に、オン時には伝達、オフ時には伝達しない。歯車同士の噛み合いがないため、針飛びやバックラッシュが起こらず、クロノグラフ針を秒針のように常時、回転させておける。本体SPECは、ケース径43.25㎜(リュウズ含む)。18KRGケース。毎時/2万8,800振動。ジャイロマックス・テンプ。パワーリザーブ最高55時間。648万9,000円。

パテック フィリップ レディス・カラトラバ 7119モデル
高貴な印象を与えるラックホワイトの文字盤。ベゼル(ダイヤル外周部)は精緻なクルー・ド・パリで仕上げられている。ケース径31㎜。Cal. 215 PS。手巻き。18KYG(イエローゴールド)ケース。165万9,000円。